Nothing Special 1

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日本の田舎にもありそうな景色。違いは空気の透明感と空の青さくらいだ。

もっと勉強が必要だと思い、『文章を書く』 発行・すばる舎・著者・加藤明 を買ってきた。
その文章塾の生徒である元中学校教師のエッセーを、何回かに分けて紹介したい。

ー 下町の家庭訪問 ー

九州出身の私が新卒で着任したのは、東京の下町の中学校だった。
6月下旬、1年1組の家庭訪問が始まった。「先生、俺たちが案内してあげるよ」。鈴木の一声で、5人の男の子と一緒に毎日、家庭訪問を続けた。
外で待つ鈴木たちは大きな声で「先生、ここ長いよ。もう20分もしゃべってるよ」とか、「おばさーん、俺たちにも何かないの」と飲み物やおやつを要求したりして、彼らは家庭訪問の楽しみ方を知っていた。