My Place

イメージ 1

写真は、ラスベガスで借りていたアパート。

最近、友人の何人かは私を実態以上の貧しい独居老人だと思っていることを知った。
確かに無職の独り者であるのは事実だ。しかし、実際は今のところ働く必要がないから遊んでいるだけの無責任男だ。
一人で暮らすには十分な広さの家に住み、日本の家の庭は建物の床面積より広そうだ。これからの季節、いろいろなものが育つのであまり野菜を買う必要がない。庭仕事などまったく関心はないが、私以外の誰かが家庭菜園を趣味にしている為いつも緑豊かなのである。都内で狭い共同住宅に住み、猫のひたい以下のベランダでガーデニングしている人達から見たら、かなり贅沢な暮らしである。3路線ある駅も近い。
※ 日本では共同住宅のことをマンションというが、アメリカでマンションといったら大邸宅を意味する。自分専用のテニスコートやスイミングプールが最低条件だろう。全長10m程度のストレッチリムジンが玄関に横付けできてこそ“大きな家”だ。

2ベッド2バスルームに独りで住んでいた。洗濯機と乾燥機はもちろん付いていて、夏場は外出する時も冷房を消さなかった。あの街ほど気温が高いと、冷房はあまり消さないほうが電気代を抑えられると知っているだろうか?
どうしたわけか小さな写真しか残っていないのがじつに残念だ。もとのファイルを探し出したいものである。
部屋の中央にあるガラステーブルは畳1枚より大きい。懐かしい旧型テレビは26インチだったと思う。その後すぐ大型の液晶テレビに買い替え、寝室用にも1台買った。DVDは5台ほど持っていた。
車は例のカムリをサンフランシスコから自分で乗ってきた。日本人は次々と新しいものを買うが、アメリカにいるとあまり物を買わず、古い家電品などはどこまで使えるか楽しむ気さえ出てくる。広い所に住むと、小さな楽しみを求めなくなる傾向があるようだ。
近所の公園が広い。川や湖で大物がすぐ釣れる。何処でもバーベキューができる。車の運転が好きなら地平線まで真っ直ぐ走れるような道がある。ボート遊びやサイクリングも射撃も楽しめる。生活すべてが自由気ままだと、人は小さいことに執着しなくなるのである。

窓の外にベランダが見える。住んでいる時は小さなベランダと言っていたが、日本と比べたらなかなか広い。そして、右横に物置がついていて、その中に日本なら業務用と思われるほど大きなボイラーが設置されている。故障しても修理代は不要だ。
ラスベガスのアパートはプール付きが多い。このベランダの少し先がスイミングプールだった。スポーツジムもプールも家賃に含まれていたが、ほとんど利用しなかった。
私はこういった所に引っ越し、最初の何か月間か仕事をしなかった。家賃の高いサンフランシスコから移ったので、ラスベガスのアパートがただのように安く感じられていたのである。
※ 最も小さいのがSTUDIO(発音はステューディオ)、次が1BED(寝室ひとつとリビングルーム)、2BEDとは寝室ふたつにリビングルーム、つまり3部屋のこと。
バスルームふたつは泊りの来客があるだろうと思って借りたのだが、ついに誰も来なかった。