Good Old Days 8
これも1990年代の１枚。
アメリカは日本のように建て替えが多くないから、何年たっても景色があまり変わらない。たいていの男なら走っている車でだいたいの時代が分かるだろう。
30数年間かでいったい何度この道を通ったことか。今となってはただただ懐かしいばかりである。残りの人生でこの場所に行くことがあるかと考えると、たぶん可能性は限りなくゼロに近いのが少し寂しい。
日本で生まれ育ち、なにをやってもあまりうまくいかないので試しに国外脱出したら、そのまま住み着いてしまったのがサンフランシスコだ。
何も分からず言葉もできず、ただ得体の知れない夢を追っていた頃。取り敢えず学校を探し出して通い始めた頃。住んでいたホテルでうまく仕事にありついた頃。金などまったくなかったけれど日本人の友人たちと毎日面白可笑しくふざけていた頃。普通に働いたら普通に暮らせていた頃。いろいろな時代があったものだ。
