Where is this ?

イメージ 1

電柱と電線が景観を大きく損なっている。防犯用に付けた窓の鉄格子も雰囲気を悪くしている。
これはサンフランシスコで私が住んでいた所の近くだ。
この景色の何がグァムと違うかというと、歩道がついていることと建物が雨で汚れていないこと。そして、車がきれいで錆びて穴のあいたものがなく、車体パーツが色とりどりになっていないことだ。
グァムは毎日雨が降るだけでなく塩分の影響があるのだろう。新車から5・6年で塗装が激しく劣化し、10年ほどたつと車体の各部に穴があく。また、島民は見た目をまったく気にしないからドア・エンジンフード・フェンダーなどを色違いの廃車から持ってきてそのまま取り付けるため、ひとつの車体が何色かになる。


私は日本でもアメリカでもいろいろな街を見てきた。
しかし、グァムほど汚い所に住んだのは生まれて初めての体験である。
本当に毎日何回か「汚いなぁ、嫌だなぁ・・・。」と感じていた。
汚さを感じさせるのは建物や舗装の痛んだ道路だけでない。じつは、ここの島民の服装が汚いのである。
会う人の大半はチャモロ族か東南アジアから渡ってきた人達なのだが、どういうわけか彼らはハーフパンツとビーチサンダルしか選ばない。髪は坊主刈り、着るのはTシャツだけだ。女性は少し理解し難い民族衣装的なスカートを履いている。
肌が黒いから何を着ても少し難しいのは理解する。しかし、色の選択が問題なのだ。
どうして皆が土色の服ばかり選ぶのだろうか?
上は乾いた土色のTシャツ、下は濡れた泥色のハーフパンツ。それが定番である。
まるでそういった色の物を着ていないと保護色になれず、野生動物に襲われてしまうことを恐れるかの如く泥の色を好む。
私が見ると暗い気持ちになる雨とカビで汚れた建物が、意外なことに彼らにとっては自然のあるべき姿なのかも知れない。
日本やアメリカで育った人間の価値観でグァムの景色を汚いなどというのは、よそ者のおせっかいなのだ。