Old Time

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そのヒデキなる人物は、ある射撃ツアーの会社で働いていた。
渡米の目的はアートスクールで何かを学ぶことだったが、若いこともあって学業以外のアメリカ生活が面白くなってしまったようだ。
この写真は仕事場で何気なく撮った一枚である。私の別ブログを見ている人ならすぐ分かる S&W Model 39 だ。
彼の仕事は電話を受けること、そしてホテルまでお客さんを迎えに行って射撃場で銃の扱い方を教えることだ。
本当は銃になんの関心もない人間らしかったが、安全に関する基本的な規則を学べばさほど難しい仕事ではないだろう。
ただ、これは私たちのように子供の頃から銃を知っている者の考え方で、一般的な日本人にとっては「どうすると危険なのか」が案外理解されにくい。
銃に接する機会が皆無でありながらテレビや映画で見るので知ったような気になり、なまじ日本には安全なエアソフトガンがある為、「自分を含むすべての生き物に銃口を向けてはならない」という基本中の基本が身につかないのである。
あぁ、また本来の趣旨と違う方向の話になってしまった。
ヒデキは私より少し若かったから、この写真の頃は20代なかばだったろう。
彼は荷物を何も持っていないらしく、頻繁に引越しを繰り返していた。
昔のサンフランシスコは今の1/10くらいでアパートに住めたし、物件はいくらでもあったから気分しだいで次々に場所替えをできたのである。
私の学校の先生は、なんと道の反対側に引っ越したりしていた。
僅か数十メートルの距離で「向こうのほうが日当り良さそう」などと言って引っ越す。そんなことがさほど珍しくなかった古き良き時代の話である。