GUAM

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一見すると家のようだが実際はただの階段の屋根である。
私が住んでいるのは屋上に作った通称ペントハウスというもので、そこに通じる階段だ。大きさはこれだけで8畳かそれより大きく、屋根としての機能しかないのが勿体なくも感じる。大昔の建築だから飾りとしての意味があったのだろうか。
そして、その階段から先に実際に住む部分があり、日本ならそこにもう1件建ててしまうほどの広い庭がある。何もない空間だから好きなように使って良いのだろうが、どうせ長く住むつもりがなく植木など置く気も出てこない。

中央のドアを入って右がキッチンと広いリビングルーム、左にふたつの寝室がある。
たぶん日本の都市部の家と比べたら2倍の空間だろう。ひとりでそんなに広い所はいらないのだが、7・8件見てもこれより手頃なものがなかったから仕方ない。部屋数を減らしても物件の数が減って実質的割高になるだけだそうだ。
家探しに長い時間を使えるならもう少し考えることもできたが、とにかく何ひとつ様子の分からないグァムで住む所を探すのはこれが精いっぱいだったのである。
ラスベガスは地図さえあれば独力で多くの物件を探し回ることができた。実際に、行った時はレンタカーを使って3日間走り回り、偶然もあったがかなり好条件のアパートを見つけることができた。
グァムの場合、住居表示が不完全なうえアパート内に管理事務所がないから不動産屋を介さないと家探しは難しい。
アメリカでまったく情報のない所に行って住まいを探すのは、治安の問題があるから面倒なのである。
都市部なら落書きの多い地区は事件も多い。なんとなく荒んだ景色のある地区は外出中の盗難などが心配である。
そして、そのような所に住んでいると「なぜこんな所で暮らさなければならないのか」と大変惨めな気持ちになる。
20代や30代で、アメリカ生活を始めたばかりというならすべてが面白いからそれでも良いだろう。
私も初めてアメリカに来た頃はダウンタウンのホテルから学校に通っていた。運良くそこで住み込みの仕事があったから1年も住んでいたが、もう今の年齢であの頃の暮らしはできない。
サンフランスコの治安が昔ほど良くなくなったのもある。仮に泥棒に入られても何ひとつ盗まれて困る物を持っていない学生だったあの頃は、心配事もなかったのである。

パームツリーやバナナの木がある南国の景色が嫌いだ。
アメリカ本土と違って歩道が完備していない道は舗装道路からそのま緑につながる。それが貧相に見えて嫌いだ。本土は原則的に電柱を立てない。古い地区は電柱があってもあまり目立たない所に立てる配慮がある。グァムはまるで日本のように電柱と電線が見える。これがどうしても町(正確には村)を貧しく見せてしまう。とにかく南国の島は大嫌いなのである。